「女の子たち風船爆弾をつくる The Paper Balloon Bomb Follies」
小林エリカ
第78回毎日出版文化賞受賞

(第46回野間文芸新人賞ノミネート、第38回三島由紀夫賞ノミネート)


Won the 78th Mainichi Publishing Culture Award for Girls, Making Paper Balloon Bombs published by Bungei Shunju,2024
Nominated for the 46th Noma Literary New Face Prize,Nominated for the 38th Mishima Yukio Prize)


‎ May 15, 2024
Language ‏ : ‎ Japanese 400 pages
ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4163918358
https://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784163918358

少女たちの知られざる戦争体験
日露戦争30周年に日本が沸いた春、その女の子たちは小学校に上がった。できたばかりの東京宝塚劇場の、華やかな少女歌劇団の公演に、彼女たちは夢中になった。彼女たちはウールのフリル付きの大きすぎるワンピースを着る、市電の走る大通りをスキップでわたる、家族でクリスマスのお祝いをする。しかし、少しずつ、でも確実に聞こえ始めたのは戦争の足音。冬のある日、軍服に軍刀と銃を持った兵隊が学校にやってきて、反乱軍が街を占拠したことを告げる。やがて、戦争が始まり、彼女たちの生活は少しずつ変わっていく。来るはずのオリンピックは来ず、憧れていた制服は国民服に取ってかわられ、夏休みには勤労奉仕をすることになった。それでも毎年、春は来て、彼女たちはひとつ大人になる。
ある時、彼女たちは東京宝塚劇場に集められる。いや、ここはもはや劇場ではない、中外火工品株式会社日比谷第一工場だ。彼女たちは今日からここで、「ふ」、すなわち風船爆の製造に従事する……。

膨大な記録や取材から掬い上げた無数の「彼女たちの声」を、ポエティックな長篇に織り上げた意欲作。


音楽朗読劇「女の子たち風船爆弾をつくる」
Dramatic Read Opera “Girls, Making Paper Balloon Bombs”